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国家大劇院建立15周年“呂壽と国家大劇院によるブルックナー演奏会”
2023年1月7日 @ 19:30 - 2023年1月8日 @ 20:30
エグやんの「劇場で会いましょう」
国家大劇院建立15周年“呂壽と国家大劇院によるブルックナー演奏会”
1月7日、8日 19時 国家大劇院音楽院
ブルックナー:交響曲第3番ニ短調 ノヴァーク版第3稿(約60分)
一般にオーケストラのコンサートは間に休憩時間を入れて、2曲以上やるものですが、休憩なし交響曲1曲だけというガチなコンサートもございます。その大半は今回のブルックナーとマーラーの交響曲の演奏会になります。そしてマーラーのファンがマニアと呼ばれる事が多いのに比べ、そのファンが通と言われる、それがブルックナーです。
ブルックナーの本業は教会のオルガン奏者。敬虔なカソリックであり生涯独身、メンデルスゾーンやワーグナーに憧れて作曲を志します。作曲したのは宗教曲と交響曲のみという範囲の狭さ。通常ピアノで作曲する交響曲をオルガンで作曲することからうまれる独特の作風は、当時の大作曲家ブラームスから「大蛇がのたうちまわるような曲」と表現されてしまいます。要するに冗長な所があります。しかしその冗長さは「天国的」とも評され、音楽史上最も深遠とされています。その為多くの巨匠がその最晩年に取り組む音楽に選ばれています。
今回の交響曲第3番はブルックナーがナンバリングした交響曲全9曲のなかの3番目であり、当時の音楽界最大のカリスマ、ワーグナーに献呈されています。トランペットが非常に印象的に響く曲です。また第4楽章4分程度のシンコペーション(強と弱のリズムに変化をつける技法)が印象的です、演奏される方は大変ですが、オルガンの残響を思わせる効果が教会の大伽藍を描き出します。
最後にノヴァーク版第3稿について簡単に説明を。よくドラマなどでロックの方が「クラシックは楽譜通りに演奏するだけだ」なんてセリフがあったりしますが、その楽譜というのがなかなか問題だったりします。作曲家によってはコンサートの度に楽譜に手を加えたりします。これが遺言書ならば一番最後が正しいでいいのですが、芸術はそうはいきません。手を加えた方が悪くなる場合もありますし、物によってはミスや実は作曲家以外が手を加えてたなんて場合も。じつはこの第3番も初演は大ごけ、ブルックナーはその後も手を加え続けます。そして死後、多くの研究家が一番ブルックナーの意志を継いでいるバージョンはどれかを楽譜や当時の証言、文献を研究して決定づけています。今回のバージョンは晩年ウイーンフィルで演奏されて大好評を博した楽譜を基にノヴァーク博士が校訂したもので、現在一番良く演奏されているバージョンです。ただ初稿を基にした楽譜も現在とっつきにくいが一番革新的という事で人気を集めています。これが芸術の面白い所です。
「モーツァルトがハイキングならブルックナーはアルプス登山」(吉松隆作曲家)と敷居は高いですし、かなり急なスケジュール発表ではありますが、新年少し荘厳な気持ちになりたい方は是非。
では劇場でお会いしましょう。
吕嘉 指挥
“国家大剧院建院十五周年
”吕嘉与国家大剧院管弦乐团演绎布鲁克纳第三交响音乐会
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时间: 2023.01.07 – 2023.01.08
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剧场:音乐厅
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票价:80-480元
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演出时长: 预计19:30-20:30(无中场)
https://m.chncpa.org/product-1094499.html