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陳雲の経済建設思想@北京日本人学術交流会
2018年9月16日 @ 16:00 - 21:30
社会人220元、学生100元第333回北京日本人学術交流会においては、日中関係研究所の吉田陽介氏に
「陳雲の経済建設思想」というテーマでお話しいただきます。
改革開放路線40周年となる2018年に陳雲の経済建設思想の現代的意義を考えることには大きな意味があるといえるでしょう。陳雲は、中国共産党のなかで保守派とみなされていた人でした。
改革開放経済が始まった当初は、中国が、日本のGDPの三倍の経済規模になると予想した人はいませんでした。改革開放によって経済建設がはじまりましたが、その背景にはどのような経済思想があったのでしょうか。
吉田陽介氏に存分に論じていただき、参加者で共同討議を行います。
貴重な機会となります。
ご関心ある方は、以下のフォームに9月14日(金曜)深夜までにお申し込みください。
◎第332回北京日本人学術交流会
◎日時:2018年9月16日(日曜)午後3時半開場午後4時ごろから開始予定、報告
、質疑応答、食事など午後9時半ごろ終了予定。
◎場所:亮馬橋幸福ビルB座中華レストラン京味菜の一室(詳しくは申し込んでいただいた方にお知らせします。)
◎テーマ:「陳雲の経済思想再考」
◎報告者:吉田陽介氏(北京日本人学術交流会スタッフ)
◎参加費:資料代、運営費、食事代
社会人(企業派遣留学生含む)220元、学生100元
◎言語:主に日本語
報告要旨
今年は中国共産党が改革開放路線をとってから40年の節目の年である。この40年、社会主義に市場経済を取り入れた社会主義建設により、急速な経済発展をとげ、社会主義国の「病」でもあった「不足の経済」という問題が解消された。
鄧小平が言ったように、改革開放は「前人未踏の事業」であり、理論面での試行錯誤が続いた。市場経済は資本主義復活を意味するものであり、それを組み合わせることはブルジョア的であると伝統的な社会主義理論はみていた。中国共産党は理論的束縛から脱し、市場経済が社会主義建設に有益なものとして、この両者をうまく組み合わせた。
改革開放の中で、改革推進派と保守派との意見の相違があったことはよく伝えられている。改革推進派は市場経済の役割を大いに発揮させて、経済発展をはかろうとした。それに対し、保守派は計画経済の枠組みを崩さずに経済建設をはかることを主張した。保守派の人物としてよく取り上げられるのが陳雲である。
陳は建国前・建国後の共産党の経済政策でも手腕を発揮した。陳は伝統的な社会主義経済理論を堅持しつつ、バランスのとれた経済発展を目指した。また、経済計画の設定は「身の丈」を超えるものであってはならないと主張している。
改革開放の初期は格差を認めるといった不均衡を前提にした経済建設をとったが、現在はバランスのとれた経済建設が進められている。その意味で、陳の経済建設思想は、一定の現代的意義がある。
本報告では、まず計画と市場の理論について概観し、陳雲の経済建設思想について述べ、最後にその現代的意義について考えたい。