
- このイベントは終了しました。
戦争と科学―日本は科学戦に敗北したのか?@北京日本人学術交流会
2018年8月12日 @ 16:00 - 20:30
社会人200元、学生100元第328回北京日本人学術交流会では、『戦争と科学―日本は科学戦に敗北したのか?』というテーマでの報告が行われます。(直前のお知らせで申し訳ありません。)
8月は日本人が、最も戦争について意識する時期です。
1945年8月にアジア太平洋戦争で敗北した日本は、それまでの非民主的であった政治思想や国家思想の反省を迫られました。だから社会思想やイデオロギーが問題になる文系の研究者においては戦時中に戦争協力したなら発言を躊躇するというものがありました。しかし、科学技術において戦争に必要ということで科学動員が語られ研究者にはさまざまな優遇措置が与えられ科学者もそれにこたえてきたが、敗戦直後に科学者からそれへの反省は語られることはありませんでした。
敗戦直後、日本の戦争の「敗北の原因」として「科学戦の敗北」「科学の立ち遅れ」が盛んに語られました。現在もそう思っている人がいるかもしれません。しかし、本当にそうだったのでしょうか。
日本の敗戦から73年目の8月に北京で「日本は科学戦に敗北したのか」という点について再検証する報告がおこなわれます。
参加を希望される方は、8月10日(金曜)深夜までに以下のフォームにお申し込みください。
◎第328回北京日本人学術交流会
◎日時:2018年8月12日(日曜)午後3時半開場、午後4時開始、報告、共同討論、食事
午後8時半ごろ終了予定。
◎場所:亮馬橋幸福ビルB座中華レストラン京味菜の一室(詳しくは申し込んでいただいた方にお知らせします。)
◎テーマ:「「戦争と科学ー日本は本当に科学戦に敗北したのか―」」
◎報告者:山口直樹(北京日本人学術交流会責任者)
◎参加費:資料代、運営費、食事代
社会人(企業派遣留学生含む)200元、学生100元
◎言語:主に日本語
(要旨)
8月は日本人が、最も戦争について意識する時期である。
1945年8月にアジア太平洋戦争で敗北した日本は、それまでの非民主的であった政治思想や国家思想の反省を迫られた。だから社会思想やイデオロギーが問題になる文系の研究者においては戦時中に戦争協力したなら発言を躊躇するということがあった。しかし、科学技術においては、戦争に必要ということで科学動員が語られ研究者にはさまざまな優遇措置が与えられ科学者もそれにこたえてきたが、敗戦直後に科学者からそれへの反省は語られることはなかった。
敗戦直後、日本の戦争の「敗北の原因」として科学者から語られたのは「科学戦の敗北」「科学の立ち遅れ」であった。「政治家や官僚は、科学技術に無知であり、目先のことしか考えが及んでいない。科学者はそのなかで犠牲になったのだ。」そう考える科学者が多かった。
現在もそう思っている人がいるかもしれない。しかし、本当にそうだったのだろうか。
この考え方にはどのような問題点があるのだろうか。
そのような通俗的な考え方の問題点としては、まずアメリカしか見ていないという問題を指摘できる。「日本はアメリカとの科学戦に敗北した。」というわけである。アメリカによる日本への原爆投下によって一般民衆においてもその実感は強化された。
しかし、日本はアメリカとだけ戦争していたわけではない。日本は中国とも戦争をしており、中国にも多くの科学者は動員されていたのである。
主にこうした視点から日本の敗戦から73年目の8月に北京で「日本は科学戦に敗北したのか」という点について再検証する報告をより具体的におこないたい。
多くの方々と有意義な討論をできれば、幸いである。