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黄屹と羅維 国家大劇場管弦楽団による姚晨、ラフマニノフ、ショスタコーヴィチ演奏会
2022年8月5日 @ 19:30 - 21:30
エグやんの「劇場で会いましょう」
黄屹と羅維 国家大劇場管弦楽団による姚晨、ラフマニノフ、ショスタコーヴィチ演奏会(原題黄屹与罗维国家大剧院管弦乐团演绎姚晨,拉赫玛尼诺夫与肖斯搭科维奇)
8月5日 金曜日 19時30分
国家大劇場音楽ホール(国家大剧院音乐厅)
姚晨:造園
セルゲイ・ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲作品43(約25分)
ドミトリー・ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調作品47(約45分)
ロシア革命により祖国を追われたラフマニノフと、ソ連という国に翻弄され、またソ連を翻弄した作曲家ショスタコーヴィチ。ロシア出身の2人の作曲家に中国の現役作曲家・姚晨氏を加えたコンサートです。
まずは姚氏。同姓同名の有名女優がいますが、もちろん別人です。彼は中央音楽院で作曲を教えている先生でもあります。当日お見えになるかもしれませんね。今回の演奏されるのは、中国庭園をイメージした曲のようです(私もこれ以上のことは存じ上げないので、当日を楽しみにしております)。当日お見えになるかもしれませんね。
お次のラフマニノフは、いかにもロシアなこってり濃厚な響きと甘いメロディーで人気の作曲家です。彼は現役時代に世界最高のピアニストと呼ばれ、革命によるアメリカ亡命後は作曲をせずにピアニストとして人気を博しました。そんな彼がスイスにて作曲への情熱を取り戻して作ったのが、パガニーニの練習曲から主題を取ったこの曲です。
パガニーニといえば、ヴァイオリンの超絶テクニックを編み出したことで「悪魔と取引した」とまで言われ、埋葬を拒否されたとの逸話を持つ男です。ラフマニノフは、このヴァイオリン曲の主題をピアノとオーケストラを用いて、さまざまに展開させて狂詩曲にしました。
狂詩曲は英語でラプソディ。“狂”という字が含まれると物々しいですが、形式に捕らわれず自由気ままに展開する曲のことです。クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」や『のだめカンタービレ』にも登場したガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」などを思い出してみてください。あの変幻自在さこそが狂詩曲。RCサクセションのやつはちょっと違うので今は忘れてください(アラフィフにしか分からないですね)。
ラフマニノフのラプソディも、自由に華やかな展開が聴き手を飽きさせません。全曲通して聴ける機会はあまりないのでぜひ。
最後のショスタコーヴィチは、ソ連時代を代表する作曲家です。アヴァンギャルドな作品からジャズや映画音楽などコマーシャルな曲まで、また、体制に順応しきった曲から体制を批判するような曲まで、多彩な曲を発表しました。ソ連でも西側でも毀誉褒貶(編注:きよほうへん。ほめたりけなしたりする世間の評判のこと)の激しかった作曲家です。
彼の交響曲第5番は日本ではかって“革命”の副題で呼ばれていました。スターリンに睨まれていたショスタコーヴィチの起死回生の一曲です。ベートヴェンの“運命”を彷彿とさせる闘争から勝利へのモチーフが分かりやすく展開する曲で、ドラマチックで派手に盛り上がります。それゆえソ連では大絶賛でしたが、反面西側では「愛国的」と批難されることに。といっても観客受けがいいので、結局は西側でも人気レパートリーになっています。
この曲、1975年にショスタコが逝去したのち、「終楽章は実は勝利の華々しいパレードではない。強制連行された偽りの行進を意図するものだ」という話がまことしやかに語られ(真偽不明)、一気に評価を上げたこともあります。そのため、それまで華々しく演奏されていたのが、80年代には妙に重々しく演奏されるようにもなりました。今年の春に演奏された中国交響楽団の演奏はイケイケの盛り上がりでしたが、今回はどうなるでしょう。
鉛筆なめなめ、つらつらと書かせていただきましたが、とにかく盛り上がり要素の強い演奏会です。ぜひ楽しんでいただきたい。
では、劇場でお会いしましょう。
家园与归途: 黄屹、罗维与国家大剧院管弦乐团演绎姚晨、拉赫玛尼诺夫与肖斯塔科维奇
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时间: 2022.08.05
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剧场:音乐厅
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票价:80-480元